Forest and River

森のこと、川のこと

イワナ稚魚放流

今シーズンの愛知川上流の渓流釣り解禁日は2月27日で、すでに渓流釣りの年券も購入していますが、3月も半ばになろうというのに、今シーズンはまだ釣りに行けていません。そろそろ行きたいなあと思いつつも、今回は釣りではなく稚魚放流のボランティアに行きました。

昨年9月末の禁漁以来、渓流に行くのは半年ぶりです。晩秋の産卵シーズンにも渓流に行けなかったので、このブログも半年以上放置状態でした。

たとえ釣りではなくても、久しぶりの渓流行きはワクワクしますね・・・

楽しみにしていたこの日、前夜からかなりの雨が降ったため、本流筋は泥濁りで増水していました。天気予報では、明け方に雨はやむとのことでしたが、山には厚い雲がかかり、小雨が降ったりやんだりを繰り返しています。

とはいえ、渓流に入るのは楽しい。

この日、集まったボランティアは10人。ボランティアの人たちは、みんな渓流釣りが好きな人です。そのように書くと「結局自分たちの楽しみのためにイワナを放流しているだけじゃないの」と思われるでしょうし、確かにそれはひとつの理由でしょうが、ボランティアのみなさんは自分が1年間に釣る以上の数を、重い袋を背負って苦労してでも放流しに行くわけで、やはりみなさんイワナがすむ愛知川を愛しているのだと思います。

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こちら、イワナの稚魚。体長2~2.5cmくらい。45リットルのポリ袋に、水と一緒に約1,000匹を入れ、酸素をパンパンになるまで入れたら口をきつく縛ります。水が重い・・・

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こちらはアマゴの稚魚。アマゴはすでにイワナの倍くらいの体長があり、パーマークもはっきり出ていますね。

今回、私の担当した谷にアマゴは放流しなかったので持って行きませんでしたが、ほかの人たちはアマゴ稚魚の袋とイワナ稚魚の袋の両方を抱え、本流に近い谷の入り口でアマゴを放流し、そこから支流のさらに奥まで行ってイワナの稚魚を放流しました。

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今回、私の担当は登山道沿いにある谷。この登山道は何度か歩いたことがありますが、谷に入るのは初めてです。登山道沿いのため、案外、楽かなと思っていましたが、谷の奥の方で放流せよとのことでしたので、9割方は登山となりました。

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小雨が降る中でしたが、それほど寒さも感じず、活動するにはちょうど良い気候です。でも膝が痛いので、歩いては休み、歩いては休みを繰り返しながら登ります。上の写真は大きなカツラの木。まだ葉は出ていませんが、新緑の頃はきれいでしょうね。

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どんどん登ります。途中、登山道から時折谷の様子が垣間見えます。ああ、竿を出したいなあ・・・と思いますが、稚魚のために先を急ぎます。

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およそ2.5kmくらい歩いて、ようやく指示された放流地点に到着。ここから、数カ所にわけで少しずつ放流していきます。

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放流したてのイワナ稚魚。放流直後は、小さな身体が流されないように、ほとんど流れのないところに待避するか、写真のように川底に張り付くようにじっとしています。小さなイワナですが、2年経てばそこそこのサイズに成長してくれるでしょう。どうか、がんばって生きておくれ!

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放流後、せっかくなので少し竿を出しました。気温8.5℃、水温8℃。小雨混じり。ほとんど魚影を見かけず、私の釣法(テンカラ)では、まったく魚の反応を引き出せませんでした。まあ、今回はこんなものでしょう。

しかし、初めて入った谷は結構よい谷でしたので、機会があればぜひ再挑戦に来たいなあと思いました。そういうことが分かるのも、稚魚放流に参加する楽しさのひとつです。