Forest and River

森のこと、川のこと

カウントダウン

毎年、9月も後半を過ぎるとソワソワします。「ああ、もうちょっとで釣りに行けなくなる・・・」

私のイワナ釣りのフィールドは、多くの地域と同様、9月30日で漁期を終えます。週末は家族と過ごすので、平日に休みをとってしか釣りに行けない私の場合、あと何回行けるだろうか、と仕事の都合と休めるタイミングを探る日々が続きます。

そんな中、9月21日。漁期終了まであと10日という時に、何とか休みがとれましたので、今シーズンはこれで最後になるかもしれないと思いつつ、好きな谷に入ってきました!

f:id:forest_and_river:20210924123017j:plain

釣りに来るのは7月21日以来。2ヶ月ぶりの渓流です。今シーズン最後の釣りになるかもしれないため、今回は4匹以上のお持ち帰りを目指して谷に入ります。

林道に近い下流部分はすっとばして、四つん這いで登るきつい斜面を超え、どんどん上流を目指します。入渓して30分以上過ぎた頃、ようやく竿を出しました。

f:id:forest_and_river:20210924123552j:plain

まもなく産卵シーズンを迎えるこの時期は、魚の姿は見えてもなかなか釣れなくなる時期でもあります。だから今日はていねいに、小さなポイントにも毛鉤を入れていくことにしました。

この日は結構水量があったので、いつもならポイントでないような場所も良い状態になっていました。上の写真など、普段なら毛鉤を入れないような小さなポイントですが・・・

f:id:forest_and_river:20210924123611j:plain

おっと!1匹目、15cmと小ぶりですが、ちゃんとイワナがいました。久しぶりに手にしたイワナです。この後も釣れるかどうか分かりませんでしたので、小ぶりですがとりあえず活かしビクにキープ。

すると、この10分後に16cmを釣り、さらに10分後に18cmを釣りました。偶然にも、だんだんサイズが大きくなってきています。とりあえず、15cm以上はすべてキープ。

f:id:forest_and_river:20210924123634j:plain

さらに15分後。小さな落ち込みが連続する場所で・・・

f:id:forest_and_river:20210924123652j:plain

4匹目、19cm!18cmを超えてくると、釣り応えがありますね。

さらにこの10分後に5匹目の21cmを釣り上げ、ここまでほぼ10分ごとに1匹のペースで、サイズも右肩上がりに大きくなってきています。

f:id:forest_and_river:20210924123713j:plain

少し深みのある落ち込み。みんなが狙いそうなポイントなので、もういないかな?一応、毛鉤を入れると・・・

f:id:forest_and_river:20210924123736j:plain

おっと6匹目!立派な22cmでした!

18cm以上だけで4匹確保したので、最初に釣った15cmと16cmはリリースしました。いやあ、ここまで見事に右肩上がりでサイズも上がってきています。この調子だと、終盤は尺超えか!?・・・と期待が膨らみますが、やはり現実は甘くない。このあと、立て続けに15~16cm程度のものを数匹釣りましたが、もはやキープしなくて良いサイズなので、そのままリリース。

f:id:forest_and_river:20210924123800j:plain

かなり上流に来ました。小さなポイントですが、ここでは・・・

f:id:forest_and_river:20210924123828j:plain

見事な体型の18.5cm!立派で、きれいなイワナです。

この後、さらに18cmを釣り、とりあえず良いサイズを6匹キープしました。

f:id:forest_and_river:20210924123912j:plain

すでに見頃は終えた感じですが、谷ではミカエリソウがきれいでした。

f:id:forest_and_river:20210924124018j:plain

こちら、ちょっと休憩していた場所なのですが、目の前をカワネズミが!動きが速すぎて写真に撮れませんでしたが、こういう環境にはまだカワネズミがいるんですね。

f:id:forest_and_river:20210924123932j:plain

こちらは、ヤマアカガエル?タゴガエル?ナガレタゴガエル?見分けのポイントを把握せずに写真を撮ったので、あとで調べてもよく分かりませんでした。

そんなこんなで、久しぶりの渓流を存分に楽しみ、リリースした小物も含めるとここまで13匹釣ったので、十分満足!

最後に、折り返し地点の滝壺に毛鉤を入れて帰ろう。

滝壺に毛鉤を入れる時は、手前から左右、そして奥までと、攻めるポイントが多数あるので、少しずつ毛鉤を落とす場所を変えながら丁寧に攻めていきます。

今回は、ビーズヘッド付きの沈む毛鉤を使わなかったのですが、経験上、普通の毛鉤でも何度も落としているうちにいきなり食いつくこともあるので、粘り強く毛鉤を入れました。すると、20cmクラスのイワナが1匹かかったのですが、タモ網でのキャッチをミスして針が外れ、下流へと逃げてしまいました!

う~ん、この滝壺にいるイワナは今ので警戒してしまったかな・・・?でも、ダメ元とあきらめずに毛鉤を入れたら・・・

何と、大きなイワナがかかりました!25cmくらいはありそうです。まさか、かかるとは思っていなかったので、ちょっと竿の引き方に迷いが出たら・・・やっぱり針が外れて逃げられてしまいました。腹くらいまでは水面から引き上げたのに!惜しい!

もはや今日はここまで。竿を畳みます。

まだ少し時間があるので、これまで上ったことのないこの滝を超えられるかどうか試してみることにします。それほど大きな滝ではないのですが、岩で周囲を囲まれているため、迂回しようにも迂回ルートがありません。滝のすぐ横に、何とか通れそうなルートがあるので、そこを攻めてみることにします。

岩場に取り付いて、慎重に少しずつ上ります。うん、ここまでは順調。ここから足場が狭くなってきますが、何とかなりそう。意を決して、苔に覆われた狭い足場を通ろうとすると・・・ツルッ!と滑り、苔がはがれました。おっと、ここは土ではなく、ツルツルの岩の上に苔が生えていたようです。これは危ない。距離はほんの2mほどなんですが、幅は10~15cmしかないツルツルの岩で、手がかりになる場所もほぼなし。そしてその下は滝壺。かなりリスクがあります。

こういう時は、あきらめも肝心。きっぱり、引き返すことにしました。

無事に滝壺まで降りてきたのですが、この時間の間に、もしかしたらイワナの警戒心がリセットされたかもしてません。ダメ元で、もう一度竿を出してみます。

今回は、ずっと黄緑色の毛鉤を使ってきましたので、再度黄緑色で挑戦。さっき逃がした25cmクラスのイワナがかかるといいのですが・・・

そんなことを考えながら、何度か毛鉤を入れたその時!

f:id:forest_and_river:20210924124046j:plain

うおっ!でかい!間違いなくさっき逃がしたやつです!

f:id:forest_and_river:20210924124106j:plain

いや~何と立派!計測すると、26cmでした。よくぞ2回もかかってくれたものです。

間もなく産卵シーズン。このイワナがオスなのかメスなのか分かりませんが、どちらにしても、これだけ大きなイワナはこれから子孫をたくさん作る上でとても貴重な存在のはず。撮影後、迷わずリリースしました。たくさん子孫を作っておくれ!

さあ、あともう1日行けるかどうか・・・でもたとえこの日が最後になったとしても、シーズン最後を締めくくるのにふさわしい、良い釣りができました!