3ヶ月ぶりの渓流
前回テンカラに行ったのは4月。あれから3ヶ月、忙しくてまったく釣りに行けず・・・
前回、初めて尺超えサイズのイワナを釣ることができましたが、釣り上げた時に竿が折れてしまいました。折れた穂先を発注すると同時に、そろそろ新しい竿も欲しいなあ・・・私の腕には高すぎるかもしれないと思いつつ、前から興味があった竿を購入!
準備万端、いつでも渓流に入れる状態のまま3ヶ月が過ぎた7月、ようやく休みを取ることができたので、とりあえず2回、新しい竿を持って久々の渓流に行ってきました!
購入した竿は、SHIMANOのパックテンカラZW。
これまでは、同じSHIMANOの天平テンカラNBの3.3mを使用していました。この竿で初めてテンカラ(というか渓流釣りそのもの)に挑戦したのですが、軽くて扱いやすく、とても良い竿です。しかし物欲は恐ろしいもので、「より良い竿を買えばさらに釣果が上がるかも?」と、根拠の無い理屈で新しい竿を買ってしまいました。
パックテンカラZWは、3.1~3.4mのズーム仕様で、なんと言っても仕舞寸法が41cmしかないコンパクトさが特徴です(天平テンカラは48.5cm)。私のように、源流域に入る者にとって竿は短いにこしたことはない、というのも買った言い訳ですが・・
まだ梅雨の最中だったので、行き慣れた谷に行くことにしました。今回は、今シーズン初めての「お持ち帰り」も狙っています。目標は4匹!
谷の入り口には、大きなモリアオガエルの卵塊が。下は舗装路なんですけどね。
7月上旬、山では美しくノリウツギが咲いていました。
さあ、竿を振り始めます。新しい竿はどんな振り心地かな?高い分、ピンポイントで毛鉤を落とせる・・?いやいや、そんなことはありませんでした。「天平」と比べると、パックテンカラは竿の中程からものすごくしなる気がします。だから、天平と同じように振るとちょっと思った所と違うところに毛鉤が飛んでいく。しばらく、川面に毛鉤を落とす練習をしてみて、何となくこの竿の調子がわかったので、いよいよ魚を探しながら遡行を始めます。
この日は前日までのまとまった雨のため、結構な増水。その分、ポイントがあちこちにありました。そして思うようなところに毛鉤を入れられるようになった頃・・・
やった!久しぶりに出会えました。美しいイワナです。サイズは20cmと十分なサイズ。4匹目指して、生かしビクにキープします。
春先に咲いていたウワミズザクラの葉が展開していました。
こちらはカエデの仲間らしくない葉っぱですが、プロペラ型の種子がカエデの仲間の特徴を示しているチドリノキです。
ああ、やっぱり渓流はいいですね!すごく蒸し暑い日で汗だく、おまけにこの時期名物(?)のヤマビルにもたくさんつかれましたが、それでも渓流はいいものです。お昼頃にはヒグラシの大合唱も聞こえてきました。
そして、目標のイワナ4匹お持ち帰りサイズも早々にクリアし、余裕を持ってさらに上流へと向かいます。
さすがに少し水量が減ってきましたが、まだまだ魚影はありそう。
おっと、立派な23cmです!
結局この日の釣果は8匹、2匹はリリースして、17cm以上6匹を持ち帰り、夕飯に塩焼きとしました。ありがとう。
さて、次の週も休みが取れたので違う谷に入ります。今回は持ち帰る予定なし、持ち帰らないと、最後に捌く時間をとらずに済むので、ちょっと長くテンカラを楽しめます。
この谷も何度も来ていますが、来るたびに谷が土砂で埋まっている気がします。昨年と比べると、明らかにポイントが少ない。
山から川への土砂供給はある程度は必要ですが、下流へと流れていく量以上に山から土砂が供給されると、どんどん溜まっていってしまい、これではイワナの生息場所や産卵場所は無くなっていくばかりです。これは山の問題なので、川を守ろうとすれば山に眼を向けざるをえませんね。
さて、この日の結論は2匹のみ。まだもっと遡行できそうだったのですが、ちょうどお昼頃に雷雨があり、結構大粒の雨がぼたぼたと降ったきたので、これはまずい、と即退散しました。釣りに入った支流は、雨が降ってきても「ちょっと水が濁ってきたかなあ」という程度だったのですが、この谷から出るためには最後に本流を渡らないといけないのです。本流は、もっと増水している可能性もあり、渡渉できないようだとちょっと面倒なことになります。
もうひとつの心配は、雷。山での雷はかなり怖いです。谷の中に落ちてくる可能性はそれほど高くないかもしれませんが、伝導率の高い竿を背負い、しかも全身びしょ濡れで移動しているので、気が気ではありません。
大雨の前にはイワナが出てくる、と言います。谷を下る途中に、遡上の時には魚影を見なかったポイントをそっとのぞいてみると・・やっぱりいます!川を流れてくるエサを、次から次へと食べているようです。今、毛鉤を流せば簡単に釣れるのではないだろうか・・そんな思いを抱きますが、ここで判断を誤ってはいけません。グッとこらえて、急ぎ谷を下ります。
そしてたどり着いた本流の渡渉地点。水量はまだそれほど多くありませんが、予想以上に濁った水が流れています。濁った水の怖いところは、水底が見えなくなること。どれくらい深いのか、どんな形の石があるのかわからなくなるので、渡渉するのがかなり難しくなります。
は〜早めに下りてきて良かった!あと30分もすれば、ここがどうなっているか分かったものじゃありません。
やっぱり、山を舐めてはいけない!と、改めて思いました。