Forest and River

森のこと、川のこと

猛暑の中

連日、猛暑が続いています。8月20日は、私の住む滋賀県東近江市の気温が、市内観測史上最高の39.2℃を記録し、結果的にこの日は、我がまちが日本一暑かったようです。確かに暑い・・・

で、その翌21日は、夏休みの取得予定日。この日も暑かった・・・あとで調べたら、この日の東近江市の最高気温は37.9℃で、前日に劣らず高温だったようです。

そんなこととはつゆ知らず、休みなんだから行かないと!と、ついつい渓流に行ってしまいます。今回は、減水で釣れないだろうなあと思いつつも、久しぶりの谷に入ります。 

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いやあ、かなりの減水。7月31日に梅雨が空けて以来、雨が降ったのは、8月12日にちょっと降ったのみ(降水量たったの1mm!) 。3週間以上、ほぼ雨が降っていないわけです。

もし、冬にまとまった積雪があったならば、春になってじわじわとけて地中に浸みていき、それが地中からじわじわと川に供給されると思うので、しばらく雨が降らなくとも極端に減衰しないだろう・・・と素人考えながらも思うのですが、冬の積雪もほとんどなかった今年は、いくら梅雨が長雨だったとは言え、「貯金」がなくて厳しいのではないでしょうか。

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谷に入るなり、マツカゼソウの花が咲いていました。マツカゼソウは、毒があるわけではないのですが、シカが好まない不嗜好性植物なので、この植物ばかり残っているところが結構ありますね。

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この時期に、釣りをしていてやっかいなのは、川をまたぐように張られたクモの巣です。テンカラの毛鉤が引っかかること・・・しかし、この写真のクモの巣は、ちょうど日光が差し込んでキラキラと光っていて、とてもきれいでした。

ちなみに、光っていない所(クモがいる中央付近と、中央から放射線状に伸びている糸)は、粘りがない糸です。粘っているところ(=光っているところ)にはネバネバ物質がついていて、それが太陽に当たって光っているというわけです。

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歩いていると、親指の太さくらいの細長い生き物が!ヘビ?と思ったほど太かったのですが、よく見ると身体に「環」があってミミズのよう・・・つついてみたら、土から頭が出てきました。やっぱりすごく太いミミズ!。帰って調べたら、シーボルトミミズという大きなミミズのようでした。身体が青光りしていました。

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さて、肝心のイワナですが、減水でイワナの居場所自体が限られてきているため、そもそも毛鉤を入れるポイントが圧倒的に少なくなっています。しかもかなりの減水と高温で、イワナもシビアになっているのか釣れる気配なし。

しかし、イワナの姿は見るのです。しかも、あまり逃げない。これはもしや・・・と思い、竿を置いて、そ~っとイワナがいる川面に近づくと、やはり逃げません。思い切って水中に防水デジカメをつけて撮影しました。

カメラとの距離は2mもありません。これほど人の気配があっても逃げないのは・・・ペアリングの準備期間に入ったのかな?産卵シーズンや、産卵前のペアづくりの前は、イワナは人間のことなどあまり気にしなくなります。けれど、こういうイワナは毛鉤ではまず釣れませんね。

しかも、賢い大物は逃げます。この写真を撮った小さな溜まりのところには、写真のイワナ以外にも数匹のイワナがウロウロしていたのですが、このイワナよりも大きなイワナは、私が近づくとサッと岩陰に隠れて出てきませんでした。

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イワナの姿は見えども、まったく釣れる気配のないまま、大きな滝のところまで来てしまいました。以前なら、この滝でいつも引き返していたのですが、テンカラを始めて3年目の今年は渓流を歩くのに慣れてきたこともあって、こんな大きな滝でもちゃんと高巻きして迂回できるようになりました。

さて、この滝壺にはイワナはいるかな・・・と近づくと、います、います!結構大きなイワナが複数!ダメ元で毛鉤を入れてみますが、まったく反応なし・・・

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 イモリもたくさんいました。イモリも産卵シーズン前なのかな?水中のあちこちで見かけました。こちらは水中写真です。

さて、この滝を迂回してさらに上流に行きます。滝より上からが、今回の勝負所です。

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すると、早速滝の上のところで1匹目のイワナ!21cmと、立派なサイズでした!しかしこのイワナ、すごいポイントで釣ったのです。それは・・・ 

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こんなポイント!減水のため、もう「水たまり」レベルです。こんなところに21cmのイワナがいてびっくりです。今日は、4匹釣れたら家族の分として持ち帰ろうと決めていたので、まずはこの21cmを活かしビクにキープ。

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そして間もなく2匹目。それもこんな場所で・・・

f:id:forest_and_river:20200826121807j:plain17cm!よくまあ、こんな水たまりのような場所で生きていますね。

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さらに上っていきますが、水は少なくなっていく一方・・・これはもうダメだな。写真のところで引き返しました。一応、2匹はキープしていましたが、目標の4匹に達しなかったし、これだけ減水して頑張って生きている姿を見たら、持って帰れないなあ、と思って、結局リリースしました。

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帰りに、先ほどの滝を下りてくると、上からイワナたちが悠然と群れて泳いでいる姿が目に入りました。少なくとも5匹写っていますが、いずれも大きかった!がんばって、たくさん卵を産んでください!

ところでこの日、午前11時に渓流で計った気温は27℃。そして水温は、な、なんと22.5℃!!一般に、図鑑には「イワナは夏場でも水温が18℃を越えないところに生息する」とあったように思うのですが・・・これほど水温が高いと、そりゃあ食欲もなくなるはずだ・・・