梅雨明け後の渓流
平年より10日も遅く、7月31日に近畿地方の梅雨が明けました。すごい量の雨が降っていたと思ったら、梅雨明け後は猛暑続き。おまけに7月は、1951年の統計以降はじめて台風発生数が0個。そうかと思うと、8月には既に4個も台風が発生(8月11日時点)。「ほどほど」というのが、年々なくなってきましたね。
梅雨明け後の猛暑となった8月3日、休みをもらって渓流へ。今回はいちばん好きな谷に入りました。
この谷は、何と言っても森が美しい。岩にもたくさんの苔がついています。
谷に入って早々、良いポイントも結構あるのですが、林道から近いところは魚がいないか、かなりスレた魚しか残っていませんので、とばしていきます。今回は、だいぶ上まで登ってから竿を出そうと決めていたのですが、やはり良いポイントを見るとウズウズしてきて、結局予定より早く竿を出してしまいました。
すると、何と釣れた!1匹目から21cmと上等サイズ!まあ、今回も全部リリースですが。
その後、険しい箇所を超えていきます。この谷は美しいのですが、この険しい部分を越えるのが大変なので、大雨の続いた時や天候が不安な時には入らないようにしています。何度も来ている谷ですが、険しい部分では毎回、最大限の注意を払いながら進みます。
険しい場所を越えました。ここからが本番です!小さなポイントも丁寧に・・・
早速、2匹目。17cmと小ぶりですが、きれいなイワナです。
最近は、この黄緑色の糸を巻いた毛鉤をよく使います。テンカラでは、毛鉤の色や形はあまり気にしないで良い、とは言われますが、やっぱり少しは気になりますよね。黄緑色はバッタをイメージしたものですが、フライほど形に凝るわけでもなく、フックの大きさも#13だけです。
ちなみに今回持参した毛鉤。一応、数も色もたくさんそろえて持って行きますが、結局使うのは黄緑か黒だけなんですよね。今回は、ずっと黄緑で通しました。
ああ、もうよだれが出そうなポイントです。テンカラは3年前から始めましたが、3年前ならこのポイントへの第一投は、奥の白い泡が立っているところに入れたでしょう。しかし、こういうポイントでは、手前のところにもイワナがいることを学んだので、手前から毛鉤を入れていきます。
すると、20cm!よく太った立派なイワナです。これで本日は5匹目となりました。いいペースです。
それにしても谷が美しい。季節を問わず、美しい谷です。
こんな小さなポイントでも・・・
7匹目!小さなポイントに似合わず21.5cmのイワナでした。
ちょうど、イワタバコがきれいな時期です。イワタバコはすごい断崖絶壁に生えます。
イワタバコの花。紫色が美しいです。
険しい谷ですが、落葉広葉樹に覆われた森は本当にきれいです。
途中、イワナの稚魚を見つけました。増水時にだけ水が流れ込む川の溜まりにいました。梅雨明けで水がひいたため、溜まりに取り残されていたのですが、このままだと数日で水が涸れるので、捕獲して本川のするやかな流れに逃がしました。
立派なサワグルミの大木2本の間を、水が流れます。木にも苔がいっぱいついています。
さあ、そろそろ引き返すべき時間になってきました。最後に、良いポイントに毛鉤を入れて帰ろう。このポイントも、手前のところに毛鉤を入れると・・・
本日11匹目!最後は21cmと立派なサイズでした。
終わってみれば11匹の釣果で、私にとっては十分です。うち、20cm以上が4匹も釣れたので、大満足。特に、上の写真、最後の21cmのイワナは、頭部まで白点が広がっていて、まるでゴギのような・・・もちろん、ゴギは中国地方の一部に生息するイワナですから、近畿地方のここにすんでいるはずはないのですが。個体差の範疇なのでしょうが、改めてイワナの模様は、多様ですね。