Forest and River

森のこと、川のこと

楽しいのが一番

テンカラ2年目の今シーズン、解禁後4ヶ月経った今、既に釣行13回を数えましたが、何と奇跡的にまだボウズ無し!初シーズンだった昨年は、計26回の釣行中13回(つまり5割)もボウズだったことを考えれば、打率10割はまさに奇跡的です。

ただ、ボウズなしと言っても、1匹しか釣れなかったということは何度もありました。それはその谷に魚が少なかったからなのか、腕が悪かったからなのか・・・

渓流釣りは自然が相手なので、よく釣れる日もあれば、まったく釣れないという日もあるでしょう。13回続けてきた「ボウズなし記録」をさらに伸ばすのは魅力的ですが、ボウズを嫌えば「ほぼ確実に釣れそうな谷」にしか行かなくなってしまいます。それでは腕はあがりませんし、自然を相手にしていると言えなくなってしまうような気がします。

そこで今回は、ボウズ覚悟で、昨シーズンと今シーズンに2回釣行して13cmのイワナ1匹しか釣れなかった谷に入ってみることにしました。

この日はシトシトと小雨が降る天気。ただ、増水はほとんどなく、谷の水は澄んでいます。

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もともとそれほど水量の多くない谷ですが、周囲を落葉広葉樹林に囲まれた美しい景観が続きます。小雨が降ったりやんだりで、昼頃の渓流の気温は21度、水温は18度と高めです。

谷に入るなり、比較的新しい足跡を発見。ここ数日の間に釣り人が入ったかな?これはますます厳しくなりそう・・・9:45頃から入渓し、11:30に昼食をとるまでの間、一度も魚影を見ることができません。やっぱりこの谷には魚がいないのか、あるいは釣られてしまったかな・・・?

昼食は、コンビニおにぎりとホットコーヒーです。こんなメニューでも、渓流の中でお昼ご飯を食べるのは楽しみです。毎回、「どこに腰を降ろそうかな・・・」と落ち着ける場所を探しますが、良い休憩場所を探すのも楽しみのひとつです。

今回も、「おっ、あの石は座り心地が良さそうだ」と見定めた場所があったのですが、そのすぐ近くに、「イワナがいそうだ」と思える小さなポイントがありました。

じつは今回の谷は、昨年の秋(漁期終了後)に一度、イワナの撮影のために訪れたことがあって、産卵シーズンで大胆な時期だったせいか、いくらかイワナの姿を見ていたのです。しかも割と大きいのを!

今回は、あの時の大物を釣りたいなあという欲を抱えて入渓してしまったためか、昼食までの釣り上がりは小さなポイントをおろそかにしていました。座り心地の良い石の近くにある小さなポイントのような場所、すっとばして釣り上がってきたのです。

あそこに腰を下ろせば、イワナがいたとしても間違いなく姿を隠します。

<どうせすっとばしてきたようなポイントだからいいか!>

<いや、ここは丁寧にいくべきだろう!>

<昼食採る前にダメ元で竿を振ればいいじゃないか・・・>

いろいろな心の声が聞こえましたが、こういう時って、あせって釣ってもきっとうまくいかないものです。よし、と決めたのは、今立っている座り心地の悪い場所に腰を降ろし、おにぎり食べてコーヒー飲んで一息ついたら、あの小さなポイントを狙おう、というものでした。

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その小さなポイントというのが上の写真。大物はいないでしょう。

とりあえず、雨が降る中ポンチョをかぶって昼食を楽しみます。一息ついたところで、大物狙いのためにつけていたビーズヘッド毛鉤を普通の毛鉤に交換して、上のポイントを狙うことに・・・ 

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そしたら何と、釣れました!細身ですが、18cmのイワナ!こんなところに18cm(という私にとっては大きなイワナ)がいて、ビックリです!いや~、丁寧に釣って良かった! 

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そのすぐ上にも、写真のような小さなポイントが。ここも丁寧にさぐると・・・ 

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小さいけど、14cmのイワナ!いや~やっぱりいるものですね。今まで大物狙いの欲に目がくらんでいただけか・・・ 

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さらに上流を目指します。途中、上の写真のような直径50cmほどの小さなポットホールがありました。前後左右に移動することが限られたこんな場所にイワナはいないだろうと思ったのですが、念のため毛鉤を入れると・・・釣れた!16~17cmくらいあったかな。でも残念ながら、毛鉤が外れて同じ場所に魚が落ちてしまいました。

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さて、前回はこの滝を越えられませんでした。かなり大きな滝で、その時には迂回路も見つけられなかったのです。しかし今回は、渓流を歩く「眼」もそれなりに育ってきたのか、案外簡単に迂回路を見つけることができました。もちろん、上るのは簡単ではありません。落ちれば・・・とにかく、まだ膝も調子悪いので、ゆっくり、確実に急斜面を上っていきます。

ようやく滝の上に到達!渓相はそれほど大きく変わりませんが、なんだか期待できそうな雰囲気です。 

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やはり基本に立ち返って、小さなポイントも丁寧にさぐっていくことにします。上の写真は、私の基準では「小さなポイント」よりもう少し格上のポイントです。こういう、やや深みのある落ち込みでは、ビーズヘッドにすべきか普通の毛鉤にすべきか悩みますが、ここは普通の黒い毛鉤を選択・・・ 

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やった!19cmのイワナ!それなりのポイントには、それなりのサイズがいるものですね。 

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さあ、そろそろ引き返す時間が近づいてきました。このポイントで最後にしようかな~ 

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おっと!最後にこの日最大の20cm!よく太った立派なイワナです。苦労して滝を迂回した甲斐があった! 

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この先、まだまだ流れは続きそうですが、今回はここまで。

この日の教訓は、やはり丁寧に釣れば結果がついてくる、ということでしょうか。はなから大物しか眼中にない!という場合はまた事情が変わってくるでしょうが、今の私にとっては、大物狙いでどんどん釣り上がっていくという釣り方よりも、小さなポイントにも丁寧に毛鉤を入れていき、20cm前後のサイズが狙い通り釣れた、という釣り方のほうが楽しいかな、と思います。

やはり、楽しいのが一番ですよね。