Forest and River

森のこと、川のこと

渓流撮影行5(大物確認!)

12月4日(火)は、全国で「夏日」を記録するほどの異常な日でした。私のすむまちの予想最高気温は21度でしたが、結局観測点では23.0度まであがったようです。天候は曇り。しかし15時頃から雨予報。どうしようかなと思いつつ、行ける時に行っておかないと!と思い、5回目の渓流撮影に行きました。

今回もいつもと違う谷に入ります。釣りシーズン中に入ったことがある谷なのですが、残念ながら釣果0。さて、イワナはいるのだろうか、と半信半疑で川を上っていくと・・・

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いました。結構立派なイワナ。水面が波打っているのでスカッとした写真は撮れませんでしたが、やっぱりこの谷にもイワナはいるんだと安心しました。

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しかもしばらく観察していると、もう1匹出てきました。泳ぎ方からいって、どうやらペアのようです。周囲の落葉広葉樹は、チドリノキを除いてほぼすべて落葉しました。こんなシーズンでも、ペアがいるんだと言うことが分かりました。

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少し上ると、次は小さなイワナを発見。10cmほどかな?我ながら、よく見つけたと思います。小さいイワナの方が白点が明瞭ですね。

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今回、かなり時間をかけて撮影した場所。20cmくらいのイワナが泳いでいたので、腰を据えて撮ることにしました。

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それがこのイワナ。流れの穏やかな場所を、ゆっくりとパトロールするように泳ぎ回っています。胸びれ、腹びれ、尻びれの前にある白い筋がきれいです。

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岩の上にアゴを載せるように・・・休憩しているのかな?何度か、こういう場面を見ました。

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大きなイワナを観察していると、周辺で何やら動くものが。よく見ると、10cmほどの小さなイワナです。

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しばらく小さなイワナの方を観察していると、もう1匹、出てきました。画面の右中央に1匹、左下に1匹です。

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さらにもう1匹!計3匹の小さなイワナがいます!動く様子から、オスとメスが混在しているのではないかと思うのですが、もうどれがどれやら分かりません。

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するとそこへ、さっきの大きなイワナが、「どっか行け!」とばかりに追い立ててきました。一瞬で散らばった小さなイワナたち。やはり弱肉強食。厳しい世界です。

ところで、この大きなイワナは、ずっと縄張りをパトロールするかのような動きをしています。これは、きっとペアがいるのではないか・・・そう思って、ペアが出てくるのをひたすら待ちます。10分、15分・・・出ません。20分、25分・・・ダメです。この間、大きなイワナは一定のコースを往ったり来たりしています。

30分経過。これはもうダメかな、と思ったちょうどその時・・・

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出ました!岩陰からスッと色味の濃いイワナが!きっとメスでしょう。最初にいたオスがメスの方に寄っていくと、2匹のイワナは時計回りに美しく円を描いて泳ぎます。その美しいこと!感動しました。この直後、メスは再び姿を隠しました。30分待った甲斐があった!

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先ほどのポイントから、さらに上っていきます。次は、少し赤みがかったイワナ。こちらは単独のようでした。

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さらに上流に行くと、先ほどよりも大きなイワナがいました。沈んだ木の上に定位しながら、時折、辺りをゆっくりと泳いでいます。これもペアがいそうです。

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定位していたイワナが、横向きになった時にパチリ。きれいな模様が撮れました。

この後、しばらく待っているとペアが現れました。しかし、ここは水深がかなり深く、2匹で仲良く泳いでいるところは目視したものの、良い写真が撮れませんでした。

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イワナの姿を探しながら、ゆっくりと晩秋の渓流を楽しみます。しかしこの日の渓流は・・・気温18.5度、水温12.5度。12月とは思えない!

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暖かくなったためか、虫も動いていました。こちらは2018年3月29日の記事でも紹介した、ヒメツチハンミョウ(♂)。2匹が動いていました。

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こちらは渓流の撮影を終えて車に戻った時に、車のドアについていたカメノコテントウ。本来なら集団で越冬しているのでは? 結構元気よく動いていました。

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最後まで黄葉が残っているチドリノキの落ち葉。なんとも言えない黄色がきれいです。

さて、話しを再び渓流に戻します。そろそろ昼時になってきたので、昼食をどこで食べようかなと適当な岩を探しつつ上っていると、大きなに溜まりに出会いました。ここにはもしかすると大物がいたりして・・・などと思いながらも、ここは撮影しようとしても身を隠す場所がないなあと考えながら、さてどこで昼食を食べようかと思ったその時・・・

何と、4mほど横を、ゆったりと泳いで行く大物が!すぐにでもカメラを向けたい衝動に駆られましたが、今までの経験からここで動けば逃げられると分かっていたので、一瞬にして立ったまま岩のように固まりました。眼だけを動かして、じっと大きなイワナの姿を追います。

イワナも、何かいつもと違うぞと感じたのか、横目でこちらの方をじっと見つめるようにゆっくりと泳ぎ、旋回し、またゆっくりと近づいてきます。うお~すぐそこに大物が!と思いながら、じっと我慢。しばらくすると、大イワナは私の死角へと泳いで行きました。

さあ、この隙に撮影の準備!しかし近くに身を隠す場所はなく、かといって今移動すれば気付かれる可能性が大。仕方無く、その場で三脚を据えて、立ったまま撮影することにしました。できるだけ動きを小さくしながら三脚の脚を伸ばしていると、さっきよりずっと小さな(といっても15cmくらい)イワナが目の前を泳いでいきます。このイワナに感づかれて走られて(気付いてサッと逃げられること)しまったら、大イワナにも気付かれてしまう!素早い動きをしないようにしながら、三脚を立て、カメラを装着し、レンズを望遠に交換します。

準備万端整ったところで、小さなイワナも死角に泳ぎ去りました。もしや気付かれたか・・・

そのまま息を殺して待っていると・・・ 

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きた~!さっきの大イワナ!広い溜まりを、我が物顔で悠然と泳いでいます。

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大きいなあ・・・私はまだ「尺」イワナにお目にかかったことがありませんので、そのサイズ感がよく分かりませんが、尺はなくても、8寸以上はあるんじゃないだろうか・・・

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しばらく撮影していると、近くに小さなイワナがやってきました。さっき見た個体かな?よく見ると2匹、いや3匹の小ぶりのイワナが泳いでいます。写真には画面左に2匹だけ写っています。

これは大きなオスを目当てにやってきた3匹の小さなメス?それとも、大きなメスを目当てにやってきた小さなオス?まったく根拠はありませんが、前者のような気がします。

これまで見てきたペアは、オスがメスにすり寄る様子が多かったのですが、この場合はメスが大きなオスにすり寄っていると言えるのでしょうか。

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立派だ・・・30cm近いということは、最低でも3年は生きているはず。これは私の腕では釣れないだろうなあ。もし釣っても、敬意を表してリリースします。

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最後の写真は、本日のお気に入り。30分粘ってペアが出てきた場所のイワナです。この後、視線の先に浮いている小さな白い物体に向かってパクッ!と食いつきました。虫だったのかゴミだったのか?

天気予報を信じて14時には引揚げたところ、本当に15時前から雨になりました。今回はたくさんの出会いがありました。思い切って出かけて良かった!