Forest and River

森のこと、川のこと

渓流撮影行6(変な物発見)

12月も後半に入り、いつ雪が降ってもおかしくないシーズンになってきました。雪が降れば、渓流の撮影も簡単に行けなくなるので、今のうちにとばかりに、今回はまだ行ったことのない渓流へと足を運びました。

魚にはあまり会えなかったものの、何だか変な物を見つけました・・・

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川に入る所の積雪はないものの、見上げると山の上はすっかり冠雪!この日、12時頃の渓流の気温は4度。だいぶ寒くなってきました。

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今回の谷は初めて入ったのですが、なだらかで少し細めの本流のような流れでした。川に覆い被さる木々が少なく、来シーズンにテンカラ竿を振るには良さそうですが、谷沿いの斜面はスギの植林が多く、そこそこ間伐はされているもののしばらく手入れもされていないので、かなり荒れた様相を呈しています。こういう川にはあまりイワナもいないかもしれないな、と思いながらさかのぼっていきます。

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私の前をさかんにカワガラスが飛んでいきます。これでは、魚がいたとしても鳥に驚いて姿を隠してしまいますね。案の定、行けども行けども魚の姿は見えず。小さな魚を数匹見かけた程度です。

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そうこうするうちに、お昼時。今回は、山好きの知人の勧めにしたがって、カップ麺をやめてマルタイ棒ラーメンにしてみました。カップ麺は小さなヤカン一つで調理でき、手軽でおいしいのですが、少し後味が悪いというか、胸焼けするというか・・・

棒ラーメンは、あっさりしょう油味。麺をゆでるので少し大きめの深鍋が必要ですが、パッキングが楽なのと、食べたあとのゴミがほとんど出ないのがいいですね。もちろん、カップ麺1コ分で1袋(2人前)の値段しかしないのも良いところ。

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煮込んで3分、ゆであがりました!トランギアのアルコールストーブで沸かしています。アルコールストーブは火力が弱いと言われますが、約500mlの水を入れても沸騰まで5分もかかりません。ただ、アルコールストーブの欠点は火力調節しにくいことですので、麺を入れた後は鍋を浮かすなどして吹きこぼれないように調整する必要があります。

さて、お味は?カップ麺の濃い味付けに比べるとあっさりですが、おかげで食後も胸焼けしません。添付の粉末スープとオイルのうち、オイルを入れると一気に油でギトギトになるので、鍋の後始末にキッチンペーパーを数枚持参した方が良さそうです。

ところで、アルコールストーブをお使いのかたは、「消火」をどうしていますか?理科の実験で使ったアルコールランプのように、燃えているところに付属のフタをすれば火は消えるのですが、私はVARGOの折畳みチタン風防を使っており、ストーブの上部を深めに覆うので、ストーブの横から消火用のフタをかぶせることができません。結果、ほぼ真上からフタを落とすことになるのですが、初めて使った時はフタが狙ったところになかなか落ちなくて、消火にかなり手間取りました。

そこで、次からこんな工夫をしています。

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まず、川に落ちている枯れ枝をこんな風に加工します。先端の形状がポイントです。

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次に、先端を風防の扉に引っ掛けて開けます。

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で、先端を消火用フタの小さな穴に引っ掛けて・・・

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こんな風に持ち上げます。

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あとは、サイドからそっとかぶせるだけ。

この枝は、毎回現地調達します。針金などで作って持って行っても良いのですが、毎回、現地で適当な枝を探し、ナイフで少し加工して・・・という工程自体を楽しんでいるのです。

ちなみに、毎回枝を現地で探していると、思わぬ気づきがあります。それは、今回撮影に入った谷には、消火に適した枝がまったく見つからなかったということ。消火に適した枝は、ケヤキなど広葉樹の先端部が一番使いやすいのですが、今回の谷は前述のように両岸がスギ植林地。スギの枯れ枝は細枝の角度が悪くてフタを引っ掛けられないのです。やむを得ず、立ち枯れしている小さな落葉樹の枝を折って加工しました。落葉樹の枝が少ないと、魚の姿も少ない・・・かどうかは分かりませんが、この谷を見る限りはそんな気がします。

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さて、この谷で見つけた変な物・・・それは、昔のビール瓶。「ルービラクサ」と書いてある・・・??なるほど、右から読めば「サクラビール」。昔、ここで酒盛りした人がいたんでしょうねえ。

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そしてもう1本。「DAINIPPON BREWERY CO.LTD」の文字が。「DB」のトレードマークもあります。しかも、王冠がある!ということは、中身もある?と思ったのですが、瓶の10分の1ほど液体が入っていたものの、ビールかどうかは不明です。昔の王冠の精度のせいで中身がほとんど蒸発したのか、それとも飲んだ人がもう一度王冠をはめ直したのか・・・

さて、この2本のビール瓶、調べると戦前の古いビール会社のものだということは分かったのですが、何年頃の物なのかは今ひとつ決め手がありません。ネットでは、この空瓶をインテリア用品として1本1,500円前後で売っている店もあります。まあ、私は現地に置いてきましたが。

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谷を降りる時、唯一写真を撮れたのがこの魚。かなり上流の谷だったので、てっきりイワナだと思っていたのですが、写真をよく見るとこれはアマゴですね。こんなところまでアマゴがいるというのはひとつの発見でした。

谷はひとつひとつ表情が違っていて、面白いです。