Forest and River

森のこと、川のこと

初めての雨、初めてのビーズヘッド

8月21日(火)は、朝から雲行き怪しい空でした。天気予報では、山沿いを中心に局地的に強い雨の予報。しかし、8月3日以降、お盆その他諸用続きで釣りには行けず。

行きたいなあ・・・

雨の日の渓流釣りってどうなの?と思って検索すると、「爆釣!」とある。でも、「あっという間に水位が上がって危険」ともある。さてどうしたものか。

3月にテンカラを始めて以来、8月3日でちょうど20回目の釣行でしたが、一度も雨は降っていませんでした。釣れなくても良いので、一度、雨の渓流を歩くのもいいかな、と思って行くことに。

細い谷はそれこそあっという間に水位が上がるだろうから、今回は比較的川幅があり、何度も行っていて土地勘もあるK谷へ行くことにしました。

家から谷へ向かう途中、愛知川の本流を見ながら車を走らせると、前日の8月20日とはうってかわって水位が増し、しかも泥濁りの川面。これは源流部もダメかな、と思いながらK谷入口に到着。川をのぞくと、水は濁っているものの、ちゃんと川底が見えています。水量も多いけど、釣りが無理なほどではない。よし、決行!

支度をして、林道を歩いて入川します。

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こんな感じ。いつもより水の色がうっすら緑色ですが、魚の姿は見えそうです。

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林道を歩いていると、真っ赤な実が目に付きました。ゴマギの実です。熟すと黒くなるそうです。たぶん、食べられない・・・

さて、雨の渓流を歩きましたが、途中で小雨になったので雨具を脱ぐことに。ちなみに、渓流釣りを始めるにあたって、雨具をどうするかはだいぶ悩みました。下半身は、どうせ濡れるのだから不要。問題は上半身。

レインジャケットにすれば動きやすくて良いのですが、予備の仕掛け巻きやハサミや毛鉤など、小物を収納するために釣りの定番ウェアであるポケットのたくさんついたベストを着ています。そしてバックパックを背負っている。バックパックは、ザックカバーをかければ雨は防げますが、ベストはどうしても濡れてしまう。

そこで、ポンチョにしました。しかも珍しい前開きタイプのポンチョ。これなら、レインジャケットを着なくても、ザックもベストもまとめて覆ってしまえるし、前開きなのでベストの小物の出し入れも楽です。

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渓流を歩いていると、たまに炭焼き窯跡を見かけます。こんなところまで来て、何日も泊まり込みで炭を焼いていたのだなあ、と想像を巡らせます。この窯跡は、かなり良い状態で残っていました。

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さて、21回目となった今回の釣行では、「雨の渓流に入る」という初体験の他に、もうひとつ初体験が。それがこの毛鉤、ビーズヘッドです。

フック(針)に金属(タングステン)製のビーズを通して毛鉤を巻く。ビーズは当然重りの役割を果たすので、毛鉤は沈みます。

テンカラの仕掛けには重りを使わないので、鳥の羽を巻いた毛針は少し沈んだ状態でユラユラと流れていきますが、これでは水深のあるところにいるイワナなどを引き出せない(らしい)ので、ビーズヘッド毛鉤で沈めながら流すそうです。あるいは、滝壺のような深みのあるところを狙うと。

K谷には深みのある渕もあるので、いつかビーズヘッドを試しみたいと思っていたので、今回試してみることに。

ビーズヘッドにすると毛鉤が重くなるので、風があっても毛鉤を飛ばしやすいことにも気付きました。練習がてら何度も投げながら、どんどん渓流をさかのぼっていきます。

毎回、深みにいるイワナの姿を見ながらまったく釣ることができないポイントに到着。目を凝らせて見ますが、今日はイワナの姿が見えません。

ちなみにこの日、風が心地よくて結構涼しく感じたのですが、気温は26度。まあ、猛暑日に比べれば涼しいです。しかし水温を測ってみてびっくり!22度もあります!時間を変えて何地点かで測りましたが、やはり22度。今まで釣りに来た中で最高水温です。雨が降っているのに・・・これはイワナも姿を見せないはずだ。

しかし、魚がいなくなっているわけではない。食欲はないかもしれないけど、どこかにいるはず。あの流れのあの辺に毛鉤を流せば・・・

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おっと釣れた!久しぶりのアマゴ!しかも21cm!アマゴで20cm超えを釣ったのは!初めてです。すごくうれしい。立派な体です!

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1匹釣れたら十分満足。でも、もうちょっと・・・と思いながらさかのぼりますが、雨が強くなってきました。あともう少し進むと、深みのあるポイントに着くのだけど・・・と思いつつ、自然をなめてはいけないことも知っているので、ここが潮時と引き返すことにしました。増水したら、ここに来るまで渡渉してきたところも渡れなくなりますからね。

この日は、釣りをしていて初めてヒルに吸血されました。これまでも、釣りの最中にヒルにつかれたことは何度もありましたが、吸血される前に気付いて取っていました。それが今回は多かった!釣りが終わって、スネ周りに巻いているゲーターを外すと、ゲーターとウェットタイツの間に10匹以上へばりついていました。ウェットタイツ越しには吸血されませんでしたが、ゲーターを外した時は思わずウォーッ!と叫んでしまいました。

雨の渓流は爆釣!というわけにはいきませんでしたが、まあそこは腕が未熟なので仕方が無い。初めて巻いたビーズヘッド毛鉤で、初めて20cm超えのアマゴを釣ったことがとてもうれしい釣行でした。