Forest and River

森のこと、川のこと

滝の向こうへ

月曜が休みの私は、釣りに行く前は必ず家族の晩ご飯の支度をしてから出かけます。

先日は、夜に連れ合いが飲み会なので、子どもたちを外食連れて行くことに。ということは、晩ご飯を作らなくて良いので、いつもより長く時間がある!

ということで、夏休みをとって、奥永源寺の今まで行ったことが無い奥の渓流まで行きました。

下界では、今日も最高気温が35度超え。先日の台風以来、雨も降っていないので、渓流は減水かな、と思いながら林道を走ると、ところどころに水溜まりがあります。案外、山の中は干し上がっていないものだな、と思いながら、目的の谷に到着。

台風直後の前回よりは水は減っていましたが、それでも十分な水量。この日、渓流は11時で気温25度、水温19度。前回は水温19.5度で、2匹釣れました。今回も期待できるかな?と思いつつ、どんどん上流に向かいました。

今回は、途中のポイントをすっとばして、前回折り返した地点まで竿を出さずに急ぎ足で向かいます。前回折り返したのは、大きな滝のところ。さて、この滝を越えるにはどうしたら良いか・・・?周りをあれやこれやと観察し、よし、ここからと決めて滝の上を目指します。

渓流釣りは、山の中の道なき道を行きます。川沿いを動くために、迷うということは滅多にありませんが、そもそも川の横に道がついていることは稀なので、どこを歩けば良いかは自分で判断しないといけません。

一人なので相談相手もいませんし、自分がここだと思うルートを歩いても、思っている地点にたどりつける保障はまったく無し。途中でどうしようもなくなったら、すぐにあきらめて元の場所まで引き返すことも必要です。そこで無理をすれば、事故につながる。一人なのでケガをしても誰も助けてくれませんし、周りに大きな迷惑がかかってしまいます。

今回は、一旦滝から後退し、山の中腹を歩くようにして大きく滝を迂回するルートをとりました。途中、誰か釣り人が通ったのか、シカなどがよく歩いているのか分かりませんが、獣道らしき道があったので、そこをたどって滝の上を目指します。

谷の両側はかなり急勾配で、土壌は小さな石がたくさん浮いていて、油断すると足場がずるずる崩れていきます。急勾配すぎるので低木もほとんど生えておらず、手でつかめるような木は無し。ずるっと滑ると、一気に谷まで落ちてしまうなあ・・・と思いつつ、斜面中腹の幅30cmもない獣道を、慎重に歩いて行きました。

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ついに滝を越えた!この谷には今まで2回来ていますが、毎回滝であきらめていたので、ここからは未知の領域です。早速、良さそうなポイントがあったので斜面から川に降りたのですが、急斜面を音も無く降りるという芸当ができなかったので、魚影がさっと逃げてしまいました。

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小さなポイントがいくつもあるので、今日は時間もあるしと思いながらこんな小さなポイントにも毛鉤を入れると・・・

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おっ!釣れた!小さい!13cmのイワナでした。でも、うれしい。写真撮って、元の場所にリリース。

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次はこんなポイント。すると・・・

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おっ!また!立て続けに釣れました。16cmしかないけど・・・でも、やっぱりうれしい。きれいな体色ですね。

この前後もあと2匹釣れたのですが、いずれもランディングネットに入れる前に針が外れてしまいました。2匹とも小さかったです。

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昼食時、こんな大きなサワグルミの木の下でおにぎりを食べていてふと気付いたら・・・

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木の株元、写真右側の空洞に何やら多数の動くものが。

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ニホンミツバチ!ここを巣にしているのですね。巣の入口には多数の見張り役がいました。

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いやあ、こんな山奥でニホンミツバチに会うなんて。がんばってね、と思わず声をかけました。

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だいぶ上流まで来ました。でも、この谷はまだまだ奥が深い。今日はここまで。なかなかこんな時間をとれる日は無いので、この先に行けることは難しいかな。でも、今日は存分に楽しめました。

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最後にオマケの写真。途中で、毒々しい模様の大きなカエルに出会いました。

「おっ!ヒキガエル!」と思わず叫んでしまいましたが、家に帰って調べると「ナガレヒキガエル」のような・・・ヒキガエルとは鼓膜の状態で見分けるのですが、そんなこと知らなかったので横からの写真を撮っていませんでした。でも、こんな渓流に住んでいるのでナガレヒキガエルかな?いずれにしても、いい出会いでした。