Forest and River

森のこと、川のこと

48日ぶりの出会い

豪雨、猛暑、逆走台風・・・7月はたいへんな気候となりました。

私の勤める森では、事務所と屋外を出たり入ったりするスタッフの体調管理のためにも、夏場でもあまりクーラーをつけず、午後になってようやくスイッチを入れる、ということが多かったのですが、さすがに連日35度を超える今年はダメ。つけない方が体に悪いということで、朝からクーラーをつけています。

猛暑の中でも、休みになると私はテンカラに行ける時には行ってました。暑いと釣れないとか、そういうことは本では読んだことありますが、行ってみないとわからない!

7月に入って、すでに3回行きました。確かに釣れない・・・まあ、テンカラ初心者で腕が悪いことが主因とは言え、魚の姿さえなかなか見えない。どうせ釣れないのだから、この際、今まで行ったことがない谷に行こうと、3回とも初めての谷に行きました。

茶屋川水系のY谷、K谷、O谷。

いずれの谷でも、魚影が0ということはないのですが、まったく反応なし。しかも、Y谷ではカメラを水没させてしまい、K谷では代わりに持って行った一眼レフカメラのレンスフードを紛失、O谷では斜面の上から猿の親子に石を落とされるなど散々でした。

これらの釣行時、平野では気温が連日35度を超えており、山の中でさえ29度もありました。そして谷の水温は、何と21度!茶屋川本流は、24度という日もありました。

イワナは、水温12~14度でエサをよく食べるそうです。イワナの生息に適しているのは、水温20度以下とも聞いたことがあります。それが、21度!人間の夏バテと同じ、これでは食い気も落ちるはずです。

そんな中、7月28日から29日にかけて、東から西に進む「逆走台風」12号が通過しました。各地で相当な被害が出たようですが、幸い当地では大きな被害はありませんでした。この台風は、7月8日頃から降っていなかった雨をもたらしてくれたので、森や川は久しぶりに雨で潤されました。

で、台風が過ぎた7月30日。今日は川の水量も増え、水温も下がったのでは無いかと思い、茶屋川水系に行きました。

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いつもより少し多いですが、なかなか適度な水量。ちなみに谷の気温は25度、水温は19.5度。さあ、魚に出会えるかな?

ちなみに先日水没させてしまったカメラは、水の中に5秒以上沈んでしまい、電源はまったく入らず、完全に壊れたかと思いましたが、持ち帰って水気を拭き取り、バッテリーを外してフタ類をすべて開けた状態でカメラの防湿庫(湿度25%程度に保たれる)に入れっぱなしにしておいたら、何と電源は入るようになりました。

ただ、レンズの中に入った水滴がいまだ取りきれておらず、これでは使い物にならないので、まだしばらくは防湿庫に入れっぱなしにしておきます。

一眼レフカメラは持っていますが、こちらは仕事にも使う大切なカメラなので水没させてしまっては大変。で、この際思い切ってRAW形式で撮影できる防水コンパクトカメラを探し、OLYMPUS Tough TG-5を購入しました。今回の写真はTG-5のRAWデータをSilkypix Developer Studio Pro8で現像したものです。

さて、テンカラ開始!じつは6月12日以来、まったく釣れていません。今回もそれほど期待はしていませんでしたが、人間も連日35度が続いた後に33度くらいになれば、「今日は涼しいな」と感じるのと同じように、魚も水温が1~2度下がればたとえ20度前後でも食い気が出るのではないかと期待して竿を振ります。

竿を振りながら上流に向かうと、ところどころで魚影を見かけます。釣れるといいなあ・・・と思いながらどんどん行くと・・・

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やった!本当に久しぶり。48日ぶりに出会いました!16cmと小さいですが、それでもうれしい!

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釣ったのは、こんな小さな落ち込み。こういう所もていねいに釣っていった甲斐がありました。撮影後、再びここにリリース。「いやあ、ありがとう!」と思わず独り言言いながら放しました。

その後もしばらく釣り上がると・・・

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また!今回も17cmと小ぶりでしたが、やっぱりうれしい。

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17cmはここから出ました。撮影後はここにリリース。

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この滝まで釣り上がって時間切れ。ベテランから言わせれば20cm以下をたった2匹!?となるでしょうが、素人にはこれでも十分。楽しませてもらいました。

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帰りは、TG-5の画像を知るためにも周りの風景を撮影しながら降りました。私はホワイトバランスの設定をAUTOにするのが嫌いなので、常に「太陽光」モードで撮影するのですが、TG-5ではかなり緑色が強く出ることが分かりました。上の写真はSilkypixで補正しています。

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途中、岩に紫色のきれいな花が。イワタバコです。初めて見ました。

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イワタバコの花。とてもきれいな色、そして形をしています。岩肌のあちこちで咲いていましたが、近寄って撮れたのはこの個体だけ。

初めて見たと言えば、カワネズミ(たぶん)を見ました。動きが速すぎて写真には撮れませんでしたが、ものすごい速さで岸辺をかけていき、ジャブンと川の中に入ったと思ったらすごい速さで上流に向かって泳ぎ、また岸に上がって駆けて行きました。水の中で泳ぐ時、おそらく体の周りにまとった空気の粒が光るせいか体が銀白色に光り、一体あれは何だと目を疑いました。

カワネズミは、滋賀県では絶滅危惧Ⅰ類(絶滅の危機に瀕している種)です。48日ぶりのイワナとの出会い、きれいなイワタバコの花との出会い、そしてカワネズミとの出会い。悪いことの後には、いいこともあるものです。