Forest and River

森のこと、川のこと

初めての木々たち

愛知川の源流のひとつ茶屋川は、廃村となった茨川集落へと通じています。この川に沿って林道が通されており、この林道を車で走るとK谷との合流地点があります。そこへ車を置いて、K谷の堰堤を工事する際につけられた(?)細い林道を歩いて谷をさかのぼります。

この細い林道、車1台分の幅員が分あるので、最初に来た時は四駆の軽トラなら行けるだろうと思って入ったのですが、とんでもない。あちこちで石が崩落して道の上に転がっているため、バイクでも難しいような状況。2回目からは、おとなしく軽トラをおいて歩くことに。

K谷には、短い区間にたくさんの堰堤があります。テンカラ釣りをする時、川を釣り上がって堰堤にぶつかる度に、急斜面を登って堰堤を迂回するか、もと来た川を戻って林道に戻るかしながら、さらに上流へと向かうことになり、これはとても面倒。しかし、面倒なのはみんな同じなので、上流に行くたびに魚の姿をよく見かける気がします。

これまで釣行8回。すべて、K谷です。最も奥まで行ったのは、軽トラをおいたところから数えて8番目の堰堤まで。この堰堤が最も巨大なので、どうやって越そうかと悩んでいましたが、先日ついに8番目を越えることができ、9番目の堰堤までたどりつけました。

さて、その時の釣りの様子は前回の記事に載せましたが、今回はその途中で出会った生き物や植物の話。

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山の様子はこんな感じ。ずいぶんと淡い緑が濃くなってきました。

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林道を歩いていて頻繁にあるこのような水たまり。そこには・・・

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イモリがうじゃうじゃいました!イモリは清流に棲むものと思っていましたが、こういう所にも多いんですね。水たまりの底には落ち葉がたくさん、つまり有機物が多いので、エサも多いのでしょう。

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続いてスギゴケ。新しく伸びてきて緑が鮮やかでした。このスギゴケが、絨毯のように広がっていました。

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折れた幹が朽ち、そこにはいくつもの穴が。キツツキですね。よく出会うコゲラだけでなく、もう少し大きなアカゲラにこの日も出会いました。

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見頃を迎えたタニウツギ。私の働く標高120mの森ではもう見頃は終わりましたが、山ではこれからです。

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コハウチワカエデの花。コハウチワカエデは初めて会いました。写真に撮って、家で図鑑で調べてようやく名前が分かりました。

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歩いていて1本だけ見つけたヤブデマリ。暗い森の中に、この真っ白な花が浮かび上がるように咲いていました。

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今回、最も同定に手こずったのがこれ。現地では、「あれ?もうクマノミズキが咲いている」と思って写真に撮ったのですが、私のいる森でさえまだクマノミズキは咲いていないのに、こんな山の中で咲くか?と思いつつ、念のため葉っぱの様子なども写真に撮っておきました。

パソコンでじっくり写真を見ると、花の付き方や葉の形状がクマノミズキとは違う。ガマズミでもない・・・最終的にこれかな?と思ったのは、マルバゴマギ。もちろん初めて出会った木です。そんな名前の木があることすら知りませんでした。いい出会いでした。

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日に日に色が濃くなってきました。

もうすぐ梅雨入り。新緑から、深緑へと移り変わっていきます。