曇りに撮る花
すかっと晴れた日はもちろん気分が良いですが、今日のような、今にも雨が降りそうな曇天の時にも良いことがあります。
それは、森の写真を撮りやすい、ということ。
特に花は、直射日光が当たっているところと当たっていないところがあると、写真に撮った時に見た目以上に光の差が出てしまい、撮りたいところが真っ白になっている、あるいは暗くなっている、ということがよくあります。
その点、曇りだと光がまんべんなく花に当たるので、特に白い花などが撮りやすくなります。
たとえばイチリンソウ。
緑の葉から真っ白な花びらの質感まで写そうとすると、今日のような曇りだとちゃんと写ります。
参考までに、ずいぶん前に撮ったキクザキイチゲの写真。
こちらは、白い花に直射日光が当たっていたので、逆にそれを活かして背景は真っ黒になっても良いと割り切って撮っています。葉っぱの質感もつぶれて良い、花にさえスポットライトが当たれば良いと考えます。露出補正で言えばマイナス1.7段まで落としました。
どちらの写真が好きかと言われると完全に好みの問題になりますが、私は「写真としては」キクザキイチゲ、「図鑑的な写真としては」イチリンソウ、となります。
何だか写真講座みたいになったので、気を取り直して・・・
完璧な球体、セイヨウタンポポの綿毛。
ここまで見事な球体を形作るのには、もちろん合理的な理由があってのことでしょうが、それにしてもその理由をここまで完璧に形として表すことに驚かされます。
こちらも見事な造形美のマムシグサ。
花の上を覆うものが、もう少し柔らかければ覆いが花にくっついていまい、もう少し硬ければ立ってしまって覆いの役目を果たさないわけです。何と微妙な、さじ加減なのでしょう。
完璧な色、完璧な五角形を表現するヤマブキ。そしてこれを、「黄色」ではなく「山吹色」と表現した先人の感性。
見事!