Forest and River

森のこと、川のこと

渓流へ行こう その2

初めて渓流に入って、釣れもしないけど、とにかく竿を振る。

楽しいなあ~と思っていたら・・・

 しばらく釣り上がると、早速一つ目の堰堤が見えてきました。

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でかい! 両側も切り立っていて、とても簡単には迂回できません。

やはり一度脱渓して林道に戻り、再度上を目指さねばだめか・・・

あとひとつポイントに投げたら遅い昼食をとって、それから脱渓しよう、と気を抜いて振ったら、何と竿は正直なもので、最後の最後で水底の何かに毛鉤がひっかかってしまいました。

いや、間違っても魚ではありません。石の隙間に食い込んだか、沈木にかかったか。

 

テンカラを始めるに当たっては、渓流釣りやテンカラに関する本を何冊か読みました。こういう時は、慌てて竿で引っ張ると竿が折れるので、必ずラインを持って引っ張ること、と書いてあったのを思い出し、竿を下げ、ラインを握って引っ張りますがびくともしません。

これはもう、毛鉤はあきらめるしか無いか。

 

9月に志賀高原雑魚川で渓流釣りの体験をさせてもらった時、渓流を覆う上の木に毛鉤をひっかけてしまい、どうにも取れず、ガイドさんがやむを得ずラインを切るということがありました。

毛鉤が無駄になったので「すみません」と謝ると、「よくあること。余裕が出てくれば、周辺の枝にも気がついて引っかけにくくなる」と。完成品として売っている毛鉤は高いので、自分で巻く方が格段に安くつくということも知ったので、テンカラを始めるに当たって一番最初に買った物は、竿でも毛鉤でもなく、毛鉤を巻くための「タイイングキット」でした。6,000円くらいで一式揃っている入門用のやつ。

釣りを始めるのにタイイングキットから買う人なんて、あまりいないでしょうねえ。

そのキットには、説明書はもちろん、キットの内容一覧が書かれたタグすらもまったく付属していなかったので、「この変わった形の道具は何という名前で、どうやって使うんだ?」というところから調べました。

タイイングの話しは奥が深そうなのでまたの機会にして、元の話しに戻すと、今回引っかけてしまった毛鉤も自分で巻いたやつです。まだ20本弱しか巻いてないうちの1本。もったいないなあ、と思いながらも、どうしようもないのでラインを強く引っ張ると、プチッとハリスが切れました。

まあ、気を抜いて竿を振るなという勉強代です。

仕方ないので昼食でもとって、新しい毛鉤を付けてから再挑戦、さてどこでメシを食べようかな・・・とまたまた気を抜いて歩いていたら・・・

平たい斜めの岩の上で、ズルッ!とフェルトソールが滑りました。

そのまま前に倒れ、岩の上に激突!岩で左足のスネを強打しましたが、幸い反射的に手が出たので胸や頭は大丈夫。

あいたた、参ったなあ~ でも足以外にひどい打撲もなさそうで良かった、と思って立ち上がろうとしたら・・・

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さ、竿がぁ~(折れてる!)(あまりのショックに現場で写真を撮れませんでした。家に帰って落ち着いてから撮影)

転倒時、竿を持ったまま思わず手を前に出して倒れたので、竿が体の下敷きになってしまい、あっさり折れてしまったようです。写真ではまだ使えそうですが、もうダメ。ペラペラになっています。今日、初めて使った竿なのに!

8本継ぎの竿で、折れたのは穂先から7番目。泣くに泣けないと思いながら、何とか竿を収納し、「折れた部分だけ交換できるのだろうか」などと考えながら、落ち着いて昼飯を食べることに。

まあ、折れてしまったものはしょうがない。強打したスネも痛いし、今日はもう帰るか。さて、どこから脱渓するか?入渓した場所まで戻るか、この辺りの急斜面を登るか・・・見渡すと、人か獣の踏み分け道のような跡があるので、そこから上を見上げ、「ああ行って、あそこで曲がって・・・」と脱渓ルートをイメージします。

問題は、ここを登ったところに林道があるのか(林道が見当たらなければ軽トラまでたどり着けない)ということですが、斜面の上の方の植生はスギの植林地で、最近間伐された様子です。つまり、近くに林道があるはず。

さっき滑ったばかりなので、慎重に登っていきます。地面からわずかに見える木の根が手がかり・足がかりとなってくれ、ありがたい。最後は折り重なった倒木を乗り越えると、無事林道が見えました。

軽トラにたどり着き、ウェーダーを脱いでみたら、強打したスネのところがやけに腫れているような・・・ズボンをまくり上げてみると、「何じゃこりゃ!」というくらい腫れ上がっていました。ここまで歩けたので折れてはいないだろうけど、ヒビくらい入ったのか?でも、ぜんぜん耐えられる痛さだし、まあ大丈夫だろう。

家に帰って、近くの釣り具屋に竿の部分売りが可能か聞いたら、取り寄せられるとのことでホッとしました。スネも痛むけど、ヒビならもっと痛いはずなので湿布して放置。

ということで、テンカラ釣り初挑戦は、とんだ災難となりました。でも、竿が直ればまた行こう。

今回の教訓

・竿を振るとき、渓流を歩くときは、気を抜くな!