Forest and River

森のこと、川のこと

新採研修でバウムクーヘンを焼く

私の働いている森では、毎年この時期になると、ある企業の新採職員研修を行います。それが、ちょっと変わった新採研修で、「バウムクーヘンを焼く」という内容です。

 4月から社会人として世に出ることになる新採職員に対して、3月の時期から研修を行う企業は今は珍しくありませんが、その内容がバウムクーヘンを焼くとなるとちょっと珍しいでしょう?

じつは森では、夏に新採教職員(先生)の研修も行うのですが、そこでもバウムクーヘンを焼きます。

ところで、どうやってバウムクーヘンを焼くのか?

①まずは、参加者にノコギリで竹を切ってもらいます。経験上、110cmの長さに切るのが良いです。

②次に、マッチを渡し、たき火を起こしてもらいます。たき木は、こちらであらかじめ用意しておく場合もあれば、何も用意せず森の中で燃えそうな自然物を集めに行ってもらうこともあります。

③無事にたき火が起こせたら、バウムクーヘンの生地を塗る場所をたき火であぶって、竹の「油抜き」を行います。

④炭を投入し、炭火が起これば、いよいよ竹に生地を薄く塗って、それがうっすら焦げるまで焼きます。

⑤その上にまた薄く生地をかけ、キツネ色になるまであぶります。

⑥以後、生地が無くなるまで⑤の繰り返し・・・この間、約1時間。

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こんな感じに焼けてきます。めんどくさい作業です。でも、この時間がとても研修で値打ちがあるのです。

どういう値打ちがあるのか・・・これは書くと長くなるので今回はやめておきますが、本日行った企業の新採研修は、「バウムクーヘンを焼く研修でお願いします」と言われて15年も続けていることを考えると、やはりそれなりの意味があるのでしょう。

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本日の焼き上がり。とても上手に焼けました。みんな、いい笑顔で帰っていきました。