カメラのこと
このブログでは、渓流釣りのことを中心に記事を書いていますが、たまには違う内容で書いてみようと思います。それは、カメラのこと。最近、こんなカメラを手に入れました。
私は、仕事でデジタル一眼レフカメラを使っています。仕事と言っても、写真を撮ることを仕事にしているわけではなくて、自然の中に子どもたちを連れて行く仕事です。
その自然とは、ブナの原生林や清流が流れる源流域ではなくて、近くの里山とか、田んぼの畦道とか、神社の境内林など、子どもたちの生活圏内にある身近な自然です。ブナ原生林など第一級の自然は、誰が見ても圧倒されるスゴさを持っています。けれど、自分たちの足元にある身近な自然には、多くの人が目を向けず、そこで遊ぶ楽しさも忘れ去られています。それを、子どもたちに伝えたい。生活圏内の自然の楽しさを知って初めて、生活圏外にある第一級の自然の価値が、よりよく分かると思うのです。
そんな思いで、いろいろな仕事の中のひとつとして、身近な自然の中に子どもたちを連れて行くということをしています。子どもたちの様子をブログで紹介できないのが残念ですが、道ばたの自然の楽しさを知った子どもたちは、むちゃくちゃいい表情をします。
その子どもたちの様子を撮影するのに、個人所有のデジイチを使っています。使用カメラは、NikonのD700。2008年に発売されたフルサイズ機で、1台目をボロボロになるまで使い、現在2台目を使用中。もうずいぶん前に発売中止となっていますが、お気に入りのカメラなので、2台目が限界に来た時のために3台目として程度の良い中古を購入し、防湿庫にストックしています。
1台目も、ボロボロになったのは外観のみで、メカ的にはまったく故障なし。大きくて重いけど、信頼できるカメラです。フルサイズで2000万画素以上が当たり前、5000万画素もあろうかという現在、D700の1200万画素は時代遅れかもしれませんが、私の使用目的にはこれで十分。
で、渓流釣りを始めた当初は、D700を持って釣りに行きました。しかし、渓流ではさすがに重いし、防水でもないので、非常に気を遣う。特にイワナが釣れた時なんかは、もうイワナを取り込むのに夢中で、ぶら下げているカメラのことなんか忘れてしまいます。岩に当てたり、水に浸かりかけたり・・・
デジイチを壊してはたいへんなので、途中から趣味で使っていたコンパクトデジタルカメラに切り替えました。コンデジとは言え、やはりカメラとしての品質には そこそこ こだわりがあり、Panasonic LUMIX DC-LX100を選びました。今回手に入れたカメラの初代機です。
このカメラは良かった。フイルムカメラ時代には、マニュアル操作で撮影するNikonのNew FM2から始まり、FM3Aまでを使っていました。マニュアルカメラは大好きです。コンデジも、そこそこマニュアル操作が楽しめ、画質も良い物を探した結果、LX100にたどりついたわけです。
ところが!LX100を渓流に持って行った時、先ほどの話のとおりになってしまいました!イワナを釣って取り込みに夢中になっていたら、知らぬ間にLX100が見事に水没!3秒くらい完全に水中に沈んでいました。慌ててカメラを拾い上げ、電池を抜いて、スイッチを入れずに持ち帰り乾かした後、防湿庫に入れて1ヶ月くらい放置。その後、電池を入れて電源を入れると・・・動いた!良かった!と思ったのですが、AFが合焦しません。どうやらAFのモーターか何かがやられてしまったようです。
ようやく、渓流には防水デジカメが必要と悟り、OLYMPUS TG-5を購入。今も愛用中で、このブログの写真の大半はTG-5で撮影したものです。TG-5は、水中の写真が撮れるので、稚魚放流した時とか、水中のイモリやカエルを撮るのにすごく便利。おまけに文字通りタフなので、渓流釣りにはうってつけ。RAWファイルで保存できるカメラが必須条件でしたが、TG-5はちゃんとRAWファイルで保存できます。
けれども・・・時折、TG-5に不満があったのです。
ひとつは、操作性。私は、写真は絞り優先AEで撮影します。TG-5はちゃんと絞り優先AEで撮影できるようになっているのですが、その絞り値がF2、F2.8、F8しかない。露出補正も多用しますが、絞り優先AEだと露出補正をするのに一手間かかる。だから結局、プログラムオートで撮影していました。さらに、植物の撮影時にはピントを正確に合わせたいのでマニュアルフォーカスにする場合が多いのですが、これが使いづらい。
それから、画質。どこがどう不満かと言われても、なかなか表現できないのですが、何となく奥行き感がないというか・・・背景が明るい時に現れるパープルフリンジもひどくて、これはSILKYPIXである程度補正できるのですが、がっかりするほど出るときもあります。
上の2枚の写真、撮影時の天候が異なるため単純に比較できませんが、ほぼ同じアングルで撮影していた写真があったので並べてみました。う~ん、こうやって見ても、左のLX100で撮影した写真の方がしっとりしているというか、立体感があるというか・・・
でもTG-5は、耐水性や耐衝撃性などの面で、それらの欠点を補って余りあるカメラなので、手放せません。そこで、2台体制にしようとLX100Ⅱを購入したわけです。LX100の後継機として開発されたこのカメラは2018年の発売。最新鋭というわけではありませんが、機能的には十分です。LX100Ⅱと迷ったのは、2017年発売のCanon PowerShot G1 X MarkⅢ。センサーサイズは、LX100Ⅱの4/3に対して、G1Xはそれより大きなAPS-C。両機とも、マニュアルっぽい操作性が存分に可能で、レンズ焦点距離は同程度、大きさ重さも同程度、そして値段も同程度。G1Xの方が魅力的だった点は3つ。NDフィルター内蔵、バリアングル液晶、そして防塵防滴構造です。
NDフィルターは、意図的にスローシャッターを切りたい時に重宝するもので、渓流の流れをきれいに撮る時に役立ちます。バリアングル液晶は、低い位置にある植物や高いところから見下ろすように撮りたい時などに便利です。防塵防滴構造は、防水構造ではないものの、アウトドアで使う上では頼もしい。
いずれもLX100Ⅱにはない特徴で、これにはかなり心が奪われました。けれど、効率優先の仕事で使うわけではないので、NDフィルターは必要ならフィルターを持って行けば良いし、バリアングル液晶は昔ながらのように地面に伏せて撮ったりカメラを高く掲げて何枚も撮ることでカバーできます。防塵防滴構造も、もともとカメラは精密機械だということを忘れなければ良い。荒っぽく使うときはTG-5を使えば良いわけで。単純に、趣味のカメラとしてどちらに惹かれるかなという点で考えれば・・・LX100Ⅱかな、ということでこのカメラを選択しました。
初代のLX100に比べて、画素数が上がったり、液晶モニタがタッチパネルになったり、スマホと簡単に連携できるようになったりしましたが、外観とか操作性などは、もうまったくと言ってよいほど初代機と同じ。2台並べて正面から見たら、まず区別できません。
さて、LX100ⅡとTG-5で撮り比べをしてみました。ただし、縦横比や焦点距離が微妙に違うので、まったく同じ範囲を撮ったものではありません。
上のヤマザクラの写真は、いずれもF8、-0.7EVでRAW撮影、SILKYPIXでホワイトバランスやカラーを同じにして現像したものです。同じ設定でもこれだけ色味が変わりますね。パッと見には右のTG-5ほうが桜の色が出ていてきれいに見えますね。この写真を等倍拡大してまで比較するつもりはありませんが、好みで言えば、私は左のLX100Ⅱの画像の方が好みです。
上のカヤの大木の写真も、同じ条件で現像したもの。これは圧倒的に下のLX100Ⅱの方が良いと思います。
これから渓流では、メインカメラをLX100Ⅱとし、水中写真や雨天時など特殊な時にはTG-5を使うことになりそうです。ああ~早くこのカメラを持って渓流に行きたい!