Forest and River

森のこと、川のこと

渓流撮影行2(魚編)

前回の風景編に続いて、今回は同じ谷で撮影した魚たちを。

小さな支流に入り、3時間かけて500mほどさかのぼりながら、アマゴ1匹、イワナ8匹の姿を見ることができました。魚たちの営みは、ずっと見ていても飽きませんね・・・

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この日、最初に出会ったのはアマゴ。12,3cmほどの小さいサイズでしたが、とてもきれいでした。この時は「魚だ!」と思って何も考えずに撮影したので、だいぶ水面でゆがんだ写真になってしまいました。

こんな支流にもアマゴがいるんだと少し驚きましたが、産卵行動のためにのぼってきたのでしょうか。残念ながら、ペアがいるか確認できませんでした。

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少しのぼった、写真の小さなたまりのところでは・・・

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1匹目のイワナを確認!小さいですが、きれいな白点です。

しばらくこのイワナを観察していると・・・

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少し大きい2匹目がヌッと出てきました!メスですかね?オスとメスの違いがよく分かりません。大きい方には白点があまり見当たりません。

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2箇所目はこんなところで・・・

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いました!3匹目のイワナ

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同じ3匹目のイワナを前から。ここもペアは確認できませんでした。

釣りの時は、こうも簡単にイワナの姿を見ることはできませんが、産卵シーズンはやはりイワナたちも大胆になりますね。

ただ、「簡単に」と言っても、さすがに人が近づけば逃げます。で、魚がサッと岩陰に隠れている間に、撮影ポジションを探して三脚とカメラをセットし、再び現れるのを待つわけです。

釣りの時は、一旦隠れるとなかなか出てきてくれませんが、産卵シーズンは5分、長くても10分くらいで戻ってくることが多く、待つこと自体は苦にならないのですが、難しいのが撮影ポジションの確保。

いったん魚が出てくれば、その様子を撮影するのに長いと1時間くらい撮影しますが、その間、できるだけ魚に感づかれないように最小限の動きで撮影します。このため、下手に中腰や片膝立ちでカメラを構えたりしていると、5分もしないうちに足腰が悲鳴を上げ始めるので、どっしりと腰を下ろして構えられる場所を探さないといけません。また、水面の反射を押さえるPLフィルターを装着していない(シャッタースピードが落ちるので使わない)ため、できるだけ水面の反射がない位置を探す必要があります。

秋も深まり、頭上からはハラハラと落ち葉が舞ってきます。きれいだなあ・・・川面に落ちた落ち葉は、流れのあるところではそのまま流されていきますが、川幅が広がり水が滞留しやすいところでは、落ち葉もどんどん溜まっていきます。あの落ち葉の下には、魚がいないんだろうか?

そんなことを考えながら、魚たちの姿を探して忍び足で源流をさかのぼっていたら、突然足元でバシャバシャッ!と大きな音がしました。何だ!?カワネズミ?と思って音のする方を見ると、何と!川面の落ち葉の下にいた魚が私に驚いて、水面から飛び出てきたのです!うわ!こんなところに!と思った次の瞬間、その魚は落ち葉から飛び出て川岸に打ち上げられました!

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それがこちら。立派なイワナじゃないですか!岸でペチペチと跳ねていたので、撮影した後に川に戻しました。すぐに戻してあげたので、サイズも未計測。18cmくらいだったかな。こちら本日4匹目のイワナということになります。

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この日、一番時間をかけて撮影したのがここ。流れにそって約2m、川幅は1.5mほどの場所です。写真の右から左に向けて水が流れています。右端の岩から少し落ち込み、落ち込んだところは深くなって落ち葉が沈んでいます。そこから徐々に浅くなり、いわゆるかけ上がりのところに細かい砂利が堆積し、その先に少し径の大きな礫がたまっています。イワナの産卵場所としてはとても良さそうです。

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やはり。小ぶりのイワナがぐるぐると泳いでいました。5匹目。

さあ、ここから腰を据えて撮ります。このあとの写真は同じ個体のイワナです。

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縄張りをパトロールするかのように、狭い溜まりの中を往ったり来たりしています。

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後ろ姿も美しい。正に潜水艦の形。

この写真、水面の乱れを感じさせない水中写真のようにきれいに撮れました。たまりの縁の部分で、あまり流れがなかったのが幸いしました。

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で、反転してパトロール。かなり水面スレスレまであがって泳いでいます。

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また反転。この溜まりの末端部分は徐々に川幅が20cmほどまでに狭まり、次の落ち込みへと続いています。当然末端部分は流れが速くなるのですが、このイワナは時折そこまで行って、バシャバシャと流れに逆らいながら再び流れの緩やかな所まで泳ぐ、ということを繰り返していました。

しかし私が見ている間に一度、次の落ち込みに続く流れに入ったと思ったら、きっと本人も油断していたのでしょうが、思ったより流れが速かったらしく体が3分の2ほど落ち込みの中に落ちてしまったのです!慌てて、ものすごい勢いでバシャバシャと滝登りのように泳いで、ようやく元のたまりに戻ってきました。見ていた私は思わず、「おいおい、落ちてどうする!」と声に出してしまいました。

あれはイワナの油断?それとも遊び?

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しばらく観察していると、岩陰からもう1匹、大きめのイワナが出てきました。本日6匹目。右が最初から出ていたイワナで、左が後から出てきたイワナ。これはどう見てもペアでしょう。右がオス、左がメス?

しばらく2匹で仲良く泳ぎ、オスはしきりにメスのお腹をつついたりしていましたが、メスはほとんど反応無し。

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そうこうしているうちに、何と3匹目が登場!これで通算7匹目。新たなオスでしょうか?

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と思ったら、何と何と、続いて4匹目が!メス1匹にオス3匹?それともペアが2ペア?もう何が何だか分かりません。たかだか2×1.5mほどの広さに、イワナが4匹も!産卵シーズンならではの光景です。どれもそこそこの大きさでした。イワナは通算8匹目。

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最後にお気に入りの1枚。一番長い時間撮った5匹目のイワナが、楽しそうに(?)泳いでいる様子。うまく子孫を残せるといいね!