逃がした魚は大きい
先日18cmのアマゴを釣り上げリリースしたあと、さらに川をのぼりました。前回見かけた大物(?)に挑戦するために。
そ~っとポイントに近づくと・・・います!
どれくらい大きいのかと言われても、よく分かりませんが、今まで釣った(わずか)5匹の渓流魚の中で一番大きかった、22cmのイワナよりは大きく見えます。
尺サイズあるか?あるようなないような・・・わかりません。
このポイントは、以前22cmのイワナを釣ったのと同じポイント。前回はグリーンメタリックの毛鉤を使ったので、今回は違う毛鉤を試すことに。
シルバーメタリック。何となく。
で、早速竿を振ろうと思ったら、大物の姿が消えました。あれ?どこ行ったかな。しばらくじっとして探しますが、まったく姿なし。
仕方ない、昼食でも食べながら、現れるのを待つか。
この後、魚の写真はありませんので、この日の山の風景の写真を紹介しながら話していきます。
ニガイチゴの花。野生のイチゴの花の中では、好きな花です。もちろん苺も好き。
ウリハダカエデの花。上手く撮影できませんでしたが、花はきれいです。
イワカガミ。堰堤を高巻きする時によじのぼる岩の多い斜面できれいに咲いていました。
さて、昼食を食べ終えてもまだ大物は姿を見せません。まあ、あせらず待とうと待っていると、いきなり水面から跳ね上がりました!
いわゆるライズというやつで、食い気満々というサインらしいのですが、私には今のジャンプは私の姿を確認しに来たとしか思えないのです。「あいつ、まだいるぞ!」という具合に。
現に、この後またしばらく姿を見せなくなりました。
改めて、自分がいる場所を客観的に考えると、今魚がジャンプしたところから見ると背景が空で、明らかに人影が浮かび上がっています。大物は、少なくとも3年くらいは生きていると思われ、知恵も付いているはず。いつも水中から見える風景も覚えていて、いつもと違うでっぱりがあれば怪しいと思うのでは・・・
ここにいればバレると考え、背景が岩になるような位置に移動。そして待機。
山は新緑がとてもきれいです。
川もまた素晴らしい。
さて、しばらく待機しますが、大物は姿を消しました。今日はもう出てこないかな・・・と思いながらも、水面をじっと観察。
今の時期、散った桜の花びらや芽鱗などが水面に多数落ちています。その花びらなどを見ていて、ふと気付きました。「あそこに反転流がある」
反転流とは、川の地形や周辺の岩などの関係で、本来流れている水の方向と逆方向に水が渦巻いているところです。その反転流の始まりが、私のいるちょうど目の前。そしてそこから、おそらく大物が潜むであろう場所へとゆっくり渦巻いていっています。
ということは、目の前の水面にそっと毛鉤を落とせば、しぜんと毛鉤は大物の頭上に流れていくのでは・・・と考え、早速毛鉤を落としてみました。
反転流にのって、ゆっくりと上流側に毛鉤が流れていきます。
すると突然、例の大物がどこからともなく現れ、
バクッ!!
そして素早く水中に戻って行きました。
きたっ!と思って竿を立てましたが、どういうわけか毛鉤だけが宙を舞います。
この間、1秒ほど。大物は再び消えました。
素人の私には、一体何が起こったのかわかりません。ただ、ねらい通りに流した毛鉤に対して、狙い通りに大物が反応したことは間違いありません。一旦魚が毛鉤をくわえ、偽物だと気付いてすばやくはき出したのか、あるいはくわえ損ねたのか・・・
何かの本で、魚が毛鉤をくわえて偽物と気づきはき出すまでの時間は0.2秒だと読んだ気がしますが、もしそうなら、今回は魚の方が一枚上手で、私の「合わせ」が下手だったということになります。おそるべし大物。
今日はここまでとあきらめ、竿をたたみました。帰ろうとすると、岩によじのぼっているカナヘビと目が合いました。「惜しかったな、お前」と言われている気がしました。
また次、大物に出会えれば挑戦したいと思います。