Forest and River

森のこと、川のこと

すっかり春

昨日、愛知川上流の谷にイワナ稚魚放流に行きましたが、もうすっかり春だなあと思うほど花や生き物に出逢いました。

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まずはこれ。今の時期、急斜面のあちこちで咲いています。咲いているのですが、これが花だと気付く人はあまりいないのではないでしょうか。

名前はフサザクラ。斜面がガラガラ崩れそうなところに多く生えています。

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これがフサザクラの花。いわゆる「花びら」が無く、雄しべがむき出しの花です。サクラと言っても、バラ科サクラ属のソメイヨシノヤマザクラとは違って、フサザクラ科フサザクラ属です。サクラという名前が付くので、てっきりサクラの花の様子を思い浮かべると、全然違う花の形ですよね。

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こちらはキブシの花。ブドウの房がたくさん垂れ下がっているように見えますが、1個1個が花です。

キブシは雌雄異株、つまり雄の木と雌の木があるのですが、こちらは雄の木でした。

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見事なダンコウバイ。立派な木でした。ここまで大きくなったダンコウバイにお目にかかったのは、たぶん初めてだと思います。

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ダンコウバイの花。この時期、山に咲く黄色の花と言えば、ロウバイ、マンサク、サンシュユ、アブラチャン、ダンコウバイなどがありますが、春先の黄色の花はどれも好きです。家の庭が広ければ、全部植えたいくらいです。

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ネコノメソウの仲間。こちらは谷を登っている時に撮ったもので、「ああ、ネコノメソウがある」と思って撮ったのですが、帰って調べてみるとネコノメソウは結構な種類の仲間があると分かりました。

それぞれ特徴があるのですが、その特徴を見分けるほどちゃんと観察していなかったので同定できず。ツルネコノメソウか、ヤマネコノメソウか・・・

「猫の目」は、裂開した果実が猫の目のように見えることからついた名らしいですが、私はこの葉っぱの形が、何となく猫の手がグーしている雰囲気に見えてきます。

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最後に生き物を。谷を上りながら、日当たりの良い林のあちこちで、すばやく飛び回っている生き物を結構見かけましたが、その正体はこちら、テングチョウでした。運良く、近くで日向ぼっこしてくれたテングチョウがいたのでパチリ。上の写真では分かりにくいですが、横から見ると見事なテングの鼻(頭)が見える蝶です。

よく見ると、川のまわりにはトビケラの仲間らしき昆虫も飛び回っていました。そうか、もう虫が出てきているのか・・・昨年まではトビケラが飛んでいても特に関心を持たなかったでしょうが、テンカラを始めた今年は「イワナのエサが出現している」と解釈してしまうようになりました。